これは永遠のテーマですよね。
学生も親御さんもその学生を指導している教師も、これは永遠のテーマの一つだと思います。
学生であれば、「勉強なんかしてどんな意味があるの?」
学生であれば、そんな勉強をする意義を見出せない子どもをどう説得したらいいのか?
親御さんはどうすれば我が子が勉強の大切さに気づいてくれるのか?
それぞれがそれぞれの角度で悩むことがありますよね?
ただ、実際勉強する意義を明確に語れる人は少ないように思います。
そんな視座によって考え方が変わるこの項目に今回は触れてみます。
勉強に意味を感じない子どもたち
僕も学生時代は勉強が嫌いでした。
というより、勉強をなぜしないといけないのか、それが理解できず、不満ばかりためていました。
だって理科で顕微鏡のパーツの名前なんて覚えて何の役に立つの?学校の実験以外で使うことなんてないのに!
社会で縄文時代のことなんて知ってどうするの?今平成だよ?(僕が学生時代は平成でした笑)
数学の面積の求め方を知らないと、実生活のどこで困るの?
上記のことはほんの一例で、残念ながら大人になっても別に知らなくて困ることはほとんどありません。
大人もそのことの気づいているので、勉強に意味を見出せない子どもが心から納得いく理由を説明できる人は少ないと思います。
それではこの課題はどうアプローチすれば解消されるのでしょうか?
勉強とは最も平等で公正な判断基準
私は受験に勉強を採用していることは本当によく考えられたシステムだと思っています。
というのも、勉強が好きで仕方ないという子は稀です。
私も塾講師歴15年以上になり、数千人の生徒の指導に携わってきました。
しかしその中で勉強が好きで仕方ないという生徒はたった1名しかいませんでした。(ちなみにその生徒は全国一難関の灘高校に合格し、東大に進学しました)
勉強は、受験がなければ大半の人が進んでやることはないでしょう。
つまりほとんどの生徒が、仕方がないから始める、というケースがほとんどです。
しかしもし受験の内容がスポーツや音楽の力量を測るものになればどうでしょう?
例えば受験の合否をサッカーの上手さで判断するとなると?(実際にはあり得ませんが)
このような選考課題を設けると、今度は不平等が生じます。
勉強と違い、サッカーをはじめとしたスポーツであれば、それが好きだという子が一定数いるからです。
好きで得意な子は伸ばすための努力が苦にならず有利となり、逆にスポーツが苦手な子や嫌いな子にとっては非常に不利になってしまいます。
これでは平等な選考基準になり得ません。
しかし冒頭で述べた通り、勉強が好きで仕方ないという子はほとんどいません。
つまり勉強ができるか否かは、好きでもないこと、やるしかないから頑張るべきことに、どれだけできるように向き合えたか、努力できたかを図るバロメーターの一つになります。
人間の真価が問われる時
好きなことや興味があることであれば、人はいくらでも頑張れます。
しかし自分が好きでもないことや興味のないことにも頑張れるかは、大人でも簡単なことではありません。
しかし社会に出れば、そういった出来事は日常茶飯事です。
自分が好きでもないことや納得できないことに費やす時間の方が圧倒的に多くなります。
その対価として生きるために必要な給与を得ているわけですから当然なのですが、残念ながら世の中は理不尽なことがたくさんあります。
そうしたネガティブな要因にくじけず、どれだけ向き合えるかで、その人の社会での価値は大きく変わります。
受験の意味
つまり受験において最も見られることは、「嫌なことに対してどれだけ向き合う耐性はあるか?」ということです。
一握りの天才肌の子を除き、上位の学校に合格する子ほど大人も感動するほどの努力をします。
最も自分の子に対する目線が厳しいはずの保護者が頑張っていると太鼓判を押せる生徒は間違いなく誰から見ても頑張っています。
そして前の項目でも述べた通り、社会で重用されるのはこうした人です。
勉強を頑張り、学力を身につけた分だけ、社会的信用が高まると言い換えても良いかもしれません。
逆に嫌いなことや苦手なことからは目を背け、自分の好きなことや興味のあることにしか目を向けない人はどうでしょう?
その分野に長けているとしても、いざ状況が悪化した時に改善のために矢面に立ってくれるかと考えると、極めて危険ですよね。
逆境でも立ちむかい、努力してくれそうな人を企業は欲しがるはずです。
勉強を頑張るとどうなる?
ピアニストを目指している人はピアノの練習をした分だけその夢に近づきます。
野球選手を目指している人は、野球の練習を頑張った分だけその夢に近づきます。
では勉強を頑張ればどうなるか?
答えは「分からない」です。
頑張れば頑張った分だけ分からないほど将来の選択肢が増えるということです。
実際私が今まで指導して来た生徒でも、頑張ったおかげでどの高校を受験しようかという誰もがうらやむ悩みを持つ生徒もいれば、残念ながらこの中から行きたい高校を選ぶしかない、としか言えない生徒もいます。
頑張れば頑張った分だけ将来の選択肢が増えます。
ぜひとも皆さんにはそんな将来を選択できるように頑張ってほしいと思います。
頑張ったことは仮に回り道をしたとしても、最後には必ず自分の元に返ってきます。
たくさんの選択肢を得られるよう、今を大切に頑張って下さいね。
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