「やりたいことだけで生きていけるほど世の中甘くない!
子どもは勉強をして、大人は仕事をする。
何となく子どもの頃からそれが当然のものだと漠然と抱いていた感覚です。
立派な大人になるためには子どもの間に勉強を頑張らないといけない。
祖父母の家に行くたび、よく祖母から勉強を頑張るように言われていました。
実際、父方の親戚はすごく優秀で、高学歴でした。
そんな環境も手伝い、「頑張っていい学校に行かないといけない」というような感覚がありました。
ただ本音を言うと勉強は全く好きではなく、唯一特段努力しなくてもよく理解できた英語以外は興味を持つこともありませんでした。
勉強するよりも、外で運動したり、一人でゲームをしたり、友達と遊んだりする方がよっぽど楽しく、勉強なんてなくなればいいのにと思うことも何度もありました。
しかし残念ながら大人になって大好きなゲームだけをして生計を立てることは困難です。
趣味で生計を立てることが難しいことくらい学生時代でも分かるので、結局生きるためのお金を稼ぐこと=「やりたくない仕事をするしかない」くらいにしか思っておらず、将来に関しては悲観的だったように思います。
ただ、その嫌なこと、辛いことの対価として、生きていくために必要なお金を手に入れることができると考えれば、それも仕方がないことと割り切っていました。
この頃は養老孟司さんの作品に非常に感銘を受けていました。
社会人2年目くらいの最も苦しかった時期は、非常に助けられました。
【中古】バカの壁 / 養老孟司 | ||
【中古】バカの壁 / 養老孟司 |
学生時代に課されることは社会の縮図
学校が好きという人は珍しくありませんが、勉強が大好き、という人は珍しいですよね。
しかし学校は何をするところかと問われれば、「勉強するところ」と皆即答できるはずです。
つまり学校が好きという人は、勉強以外の要素を楽しみにしているケースがほとんどです。
友人と会えることもそうでしょうし、中学生以上であれば部活命!という人もいるでしょう。
学校で課されることは勉強以外のことも含め、実社会で役立つこと、社会で必要となる素養を身につける上で、非常に重要なことがたくさんあります。
まず仕事についてですが、仮に自分が興味のある仕事、好きな仕事に就けた人であったとしても、全ての業務内容が好きと思えることばかりではありません。
例えば教師を例に挙げてみましょう。
教職を目指す人の多くは、教えることが好き、子どもが好き、という人が多いです。
こういう人は、教壇に立って授業を行うことや、生徒と交流している時間が最も楽しくて、やりがいを感じるはずです。
しかし実際は生徒と関わる時間よりもデスクワークや雑務をする時間の方が長く、その仕事で好きなことができる時間の方が圧倒的に短いのです。
塾講師なんかも、生徒指導に当たれる時間は夕方以降の生徒が来てからの時間で、それ以外の時間は生徒を集めるための営業活動や、清掃など、生徒に直接指導することとが別の仕事が山のように課されます。
これらはほんの一例で、どんな仕事にもこういった要素は必ずあります。
「やりたいこと」だけをやればいいのではなく、「やらなければならないこと」と向き合うことは必須なのです。
学生時代もこれと同じです。
部活や友人関係だけを楽しむばかりでなく、勉強もしないといけません。
小学生の間は成績の善し悪しで進路に影響することはあまりありませんが、中学以降になれば、ほぼ全員受験が待っています。
義務教育を離れ、自分の道を決めていかなければなりません。
どんな高校に進めるかは、中学の間にどれだけ勉強を頑張ったか、その成績状況で決まります。
もちろんサボることや手を抜くこともできますが、怠慢な行動は必ず結果として自分に返ってきます。
仕事でも同じですよね。
手を抜いたりサボったりすることはできるかもしれませんが、それらは全て評判や人事評価に反映されます。
頑張っている人の方が報われる可能性は当然高くなります。
やらなければならないことの言い換え
やらなければならないこととは「人がやりたがらないこと」と言い換えることができます。
掃除が業務の中で何より好き、といいう人はあまりいないと思います。
どちらかというと、終業間近の疲れている時間に最後の掃除という作業は、できることなら誰かに任せたい、と思う人もいるでしょう。
しかし当然のことですが、人がやりたがらないことも、誰かがやらなければなりません。
車を動かすにはエンジンをかけるだけでは不十分ですよね。
ハンドルやギア、ブレーキなど、必要なパーツが全て合わさって、初めて車として機能します。
仕事も同じです。
人がやりたいこと、やらなければならないこと、全てを役割分担でこなして初めて機能します。
どちらかに傾いてしまっては、仕事を発展させることはできません。
やらなければならないことを率先して行うすすめ!
僕は社会人になって管理職になるまでの間、この「やらなければならないこと」を率先して行っていました。
きっかけは悲観的ですが、そんなことでしか自分は会社に貢献することができないという自信のなさからでした。
しかし結果的にこのやらなければならないことを率先して行うことで、貴重な見返りがありました。
まず、確実の信頼度が上がります。
直属の上長からもですし、バイトや後輩からの信頼度も上がり、人望も増します。
人が嫌なことを率先して行うと、上長も仕事を任せやすくなります。
上長にとって気を遣わなくても良い間柄になれば、どんどん仕事を任せてもらえるようになり、飛躍のチャンスをつかめる可能性が高まります。
次に、そうして多くの仕事をこなす中で、自分自身のスキルが確実に上がります。
社会人2年目の時は特に鈍くさく、上長からしょっちゅう叱られていました。
もう叱られすぎて、出社が憂鬱になることも何度もありました笑
誰よりも早く出社し、誰よりも遅くに退社する、ということも何度もありました。
このような努力を続けていると、やはり見てくれている人はちゃんといます。
そして愚直に努力を続けていると、自分の成長を自分で感じることができるほどに、目に見えて成果が表れます。
ちょうど2年目の後期、秋以降にそれを顕著に感じました。
「あれ、なんか頭がめちゃくちゃ回って体がめちゃくちゃ動く」みたいな。
言葉で表現するのが難しいのですが、これは本当に感じていました。
あるとき当時の上長と飲みにいった時、「ここ最近のお前の成長はすごすぎる」なんてことを直接言われ、すごく嬉しかったことを今でも覚えています。
最後に、人の気持ちを考えられるようになります。
これは主に後輩や部下ができた時に非常に役立ちました。
自分が嫌なことをたくさん行うと、嫌なことをする時にどういう気持ちになるか、ということを体感できるようになります。
もちろん上長になれば、そういう仕事を任せざるをえない時もあるのですが、そんな時に「大変な業務を頑張ってくれてありがとう」なんて言葉をかけてもらえるだけで全然違いますよね。
こういった視点を身につけることができた点も非常に良かったと思います。
評価も上がって信頼もされ、自分のスキルアップにもつながる。
こんな良い修行の方法はなかなかないと思います。
まとめ
世の中の多くは相乗効果です。
何かだけに傾くのではなく、バランスが非常に大切であると考えます。
この嫌なことを率先して行うという習慣は、若い時に身につけておくことをオススメします。
逆に若い時にしか身につけられないとも思っています。
頑張りましょう!!
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