苦手な人が点数を上げるには?
受験において、文章読解は避けて通れない課題です。しかしおそらく英語が苦手な人の多くはこの分野に悩まされていることでしょう。これについてはいろんな書籍が出ているので、もちろん参考にすれば良いと思いますが、問題は多くの良書はある程度英語ができる、基礎的な内容がきちんと身についていることが前提になっているので、正直初心者や苦手な方向けとは言いがたいものがほとんどです。長文問題が苦手な子は、基礎力が不足している以外にも、時間が足りない、という悩みを持つケースも少なくありません。今回は制限時間に苦しんでいる方向けに、少しでも正答率を上げる方法を伝授します。良かったら参考にしてみて下さい。
長文問題に取りかかる手順
まずは以下の流れをしっかり押さえて下さい。
①最初に設問全てに目を通す
②解くのに時間がかからない問題と、時間がかかる問題に分ける
③時間がかからない問題から考える
①についてですが、苦手な子ほど設問を読まず、いきなり文章を読み始めます。この記事を読んでいる方は日本語を母国語としている人が多いと思います。考えてみてほしいのですが、仮に国語の文章を最初から最後まで読み通したとして、最後まで読み切ったころにその文章の内容がどれだけ頭に入っているでしょうか。最初の方に書かれている内容などほぼ忘れているのではないでしょうか。これが英語だと、読みながら日本語以上に文章の構成を理解するのに苦慮することが多いと思います。苦労しながら文章を読み通した頃には、ほぼ内容は頭に残っていないと思います。逆に残っている人は相当英語が得意で、文章に読み慣れている人くらいでしょう。まずは設問を読み、②に移ります。
②についてです。ここで言う時間がかかる、かからないの定義は、皆さんの得意、不得意は関係ありません。時間がかからない問題の代表例は、「知識・文法・下線部に関する問い」です。知識とは知っていれば解けるし、知らなければどれだけ時間をかけても解決は難しい問題です。典型的な問題は単語の問題です。brightという単語の意味を答えなさいという問題が出たとして、「明るい」という意味を知っていれば即答できます。けど知らなければ、正解のしようがありません。同様に文法問題で、This letter was (write) by Tom.という文で、( )内の単語を適切な形にしなさいという問題が出た場合も、受動態という概念が身についていて、過去分詞形に直せばよいという知識があれば、そしてその過去分詞形がwrittenであると覚えていれば即答できます。しかし受動態を知らない、もしくは知っていてもwriteの過去分詞形を覚えていなければ、この問いに正解することはできません。このタイプの問題は時間をかけず、できれば即答する、できなければすぐに飛ばす、を心がけましょう。下線部に関する問いもよく出題される形式です。下線部を和訳しなさい、英訳しなさい、下線部が指す内容を日本語で答えなさい、など。この手の問いが出たらすぐに逃げ腰になる子がいます。理由は、答えを長文中から「探す」ことに辟易するからです。ただし下線部に関する問いの多くは、直前を見れば答えに関する急所が見つかります。これについてはまた別の機会に取り上げます。つまり解く力があるかどうかは別として、答えに関する「場所」はすぐに見つけられるということです。ちなみに時間がかかる問題とは、内容一致や英問英答といった、長文全体から答えを「探す」タイプの問題です。これは得意とかいう問題ではなく、文章全体から探すという点で、必然的に時間をとられます。
②を踏まえ、③を意識すれば、少なくとも時間があれば解けたのに!という悩みを払拭することが可能です。多くの生徒は、出てきた順番通りに問題を解きたがります。その結果、最後までたどり着けないという悩みをこれまで幾度となく受けてきました。今では受験生のそんな心理を逆手にとり、敢えて舌を巻くような難問を試験の序盤に出してくる学校も増えてきています。まずはこの手順をしっかり行って下さい。一方、時間がかからない問題で解けない問題が多い場合は、明らかに知識不足です。その場合はまずは単語や文法といった基本事項の定着をもう一度見直すべきです。この段階ではまだ長文読解に進まず、長文読解に必要な基礎力を高めることを最優先に考えましょう。
まとめ
限られた時間の中で問題を解ききるには、ある程度戦略を要するほど入試問題の難易度は年々上がってきています。まずは点数を上げるのに効果的な手順を学び、せっかく学んで得た学力を正しく試験本番で反映させることが大切です。ぜひとも実践してみて下さい。
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