言いわけは探せばいくらでも見つかってしまう
勉強でもビジネスでも何でも共通して言えることだが、結果が出せていない人ほど自分を擁護することに関する弁が立つ人が多い。
正直僕はこのような言いわけを聞くことが好きではないが、相談したいと言ってくる人に限ってこのような言いわけを用意されているので、聞かざるを得ない。
例えばこんなケースだ。
「先生、成績が全く上がりません。このままじゃ志望校に合格できないのではないかと不安です。どうすればいいですか?」
「なるほど。勉強は毎日ちゃんとやっているの?」
「はい、やっています」
「どれくらい?」
「1時間は必ずやっています」
この時点ですでに「ん?」となる人もいるだろう。
成績が上がらず困っていると言っているにも拘わらず、たかだか1時間程度の勉強しかしておらず、なおかつそれで「やっている」と定義してしまっている。
その後も話を聞いてみると、
「じゃあ足を引っ張っているのはどの教科?」
「数学が苦手です」
「じゃあ毎日1時間程度数学の勉強をしているの?」
「いや、やっていない日もあります」
「なんで?」
「他の教科の宿題が多かったりして、時間がないからです」
「けど1時間しか勉強していないの?」
「長い時は2時間くらいしています」
「それ以上勉強する時間はとれないの?」
「厳しいです。部活から帰ってきたらくたくたで、休憩して夕食をとって風呂に入ってテレビを見ていたら、あっという間に時間が経ってしまいます」
さて、客観的に見て、この生徒の成績はこれから先、上がる時は来るのだろうか。
限りなく厳しいことは明白だ。
この生徒の問題は2点だ。
まず一点は、自分に甘く、基準値が低すぎるということ。
たかだか1時間程度の努力でできないことができるようになるのであれば、そんな楽な話はない。
1時間程度でできることはそもそも苦手でも何でもなくて、やっていなかっただけ、というレベルだ。
一流のピアニストでも1日8時間程度はピアノを練習するというデータがある。
その道のプロが行うよりも圧倒的に短い時間で成果を出すことができるのは、同様にその道で食べていいくだけの素質がある人間だけだ。
そしてもう一点は、自分の非を認めようとせず、現状の怠慢を正当化してしまう点だ。
どう考えても工夫すれば1時間から2時間程度しか勉強をとれないなんてことにはならないはずだ。
しかしこの生徒は疲れているから仕方がない、さらにテレビを見る時間が必要だと正当化してしまっている。
話は少し逸れるが、疲れているなどといった、いわゆる「気力」をできる、できないの理由にしてしまう癖は止めた方がいい。
これは危険な考え方だ。
特にお客様を相手にする仕事でこのような気力をモチベーションの理由にしてしまえば、顧客からすればたまったものではない。
こうした悪癖は、若いうちになくしておいた方がいいだろう。
いずれにしても、できない理由を考えるよりも、「どうすればできるのか?」という考え方に切り替えた方がいい。
それが成長につながっていく。
自分の非を認めることも大切な勇気!
できない理由を自分以外のものにすることは簡単だ。
しかし自分と向き合うことを避けているうちは、何も成長しない。
自分と向き合わずして、行動を変えることなどできるはずがないからだ。
行動を変えなければ当然結果は何も変わらない。
そもそも行動すら起こさないだろう。
結局何をやるにもまずは行動が大切だ。
知識だけを身につけ、頭でっかちになってもそれが行動に表れないと意味がない。
勉強だけで終わってしまっては意味がないということだ。
素直に自分の非や足りない点を認め、それを埋め合わす努力を行動に移す。
この積み重ねで必ず少しずつ成果が出始める。
相談が多い人ほどやはり行動量が足りていないケースが圧倒的に多い。
逆に成果を出す人は、そんな言い訳を考える時間を惜しんで改善する方向に頭を使い、1分でも1秒でも早く、そして長く行動することの重要性を知っている。
その中で生じたトライ&エラーの数が、その人の成長の糧になる。
まとめ
成果がでないと嘆く前に、本当に成果を出せるだけの行動量になっているかを考えてみることが大切だ。
誰と比べても自分は必死にやっている、寝る間や食べる間も惜しんでやっている、というような状況にまでなっている人はきっと少ないはずだ。
確かに漠然と過ごしているだけでは時間はいたずらに流れていくので、結果的に「時間がない」というような錯覚に陥るケースもあるかもしれない。
しかし探せばいくらでも時間が見つかるはずだ。
「できない理由」を探すのではなく、「できるようにする方法を探す」
このようなマインドセットを心がけていれば、あらゆる道が開けるはずだ。
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