アドバイスのつもりが押しつけや否定になっていないか?
特にこれは親子関係でよく起こりうる。
将来、医者になりたいと言った我が子に対し、「そんな簡単なことではないよ」とか、「今の学力じゃ厳しいよ」とか、「こんな成績じゃあ無理だよ」とか、ついこんな感じのことを言ってしまっていないだろうか。
どのような言葉を選別するかはとても大切なことで、言っている側はそんなつもりなくても聞き手は深く傷ついてしまうことがある。
そしてこうした言葉遣いは、日頃からどんな言葉選びをしているか、その人の感性がにじみ出ている。
簡単に言えば、「○○した方がいい」とか「○○しないとダメだ」といような、自分の意見を押しつけるような物言いをする人には注意が必要だ。
もちろんその道のプロの人が、ある程度確信と根拠を持ってこのような言い方になってしまう例外もあるが、そうではない人が単なるアドバイスのつもりで上記のような言い回しになっていれば、本当に自分にとって有益な助言かを考える必要がある。
こういう人はそのアドバイス通りに行動しないと大体へそを曲げてくる。
何よりもこのような人は頭から自分が正しいと思い込んでいるので、穴をつつかれても聞く耳を持ってくれない。
自分の思い通りに相手をコントロールしたいだけだ。
相手のことを本当に思うなら、相手の意見を頭から否定せず、尊重するはずだ。
こうしたことを意識していれば、コミュニケーションで意図せずぶつかることは減るはずだ。
何事も肯定的な言い回しに変えてみる!
この発想はとても大切だ。
大切なことは、聞き手にどう伝わるかを考えることだ。
無意識に否定的な言葉を使う人は、仮に相手が傷ついていたとしても傷つけているつもりはないのでなぜ傷つくのか理由が分からないものだ。
これは少し意識を変えるだけで誰でも実践できる。
教育業界でよくある事例で紹介してみる。
例えば勉強が苦手で、どの教科から手をつければよいか分からない子どもの親にアドバイスをする際、
「お子様は勉強が苦手なので、まずは基幹教科の英数国は最低でも受講しましょう」と言うか、「基幹教科である英数国の勉強時間を増やせば、まだまだお子様の成績は向上していきます。まずは英数国の3教科の受講をオススメします」と言うかの違いを考えてほしい。
保護者の気持ちになった時、どちらの言い回しの方がいいだろうか。
多くの人は、後者の方が良いと感じたのではないだろうか。
この場合、結論は同じで英数国の3教科を受講させたい、ということだ。
しかし前者は目の前の子どもの学力を否定しているように聞こえる。
あまりよく知らない相手からいきなり否定的で上から目線な言動から入ってこられると、もうその時点で壁を作ってしまうこともある。
それに対し、後者は現状を一切否定せず、こうすればもっとこうなるという未来の期待に触れて説明している。
ふとした差だが、こういうことは意識しておきたい。
他にも言葉を選ばず言えば、少々騒がしい子がいるとする。
保護者の子どもの様子を伝える時、「○○くんは落ち着きがないですね」と言うのか、「○○くんは元気がありますね」と言うのも同じ。
騒がしいという点は同じでも、後者の言葉でムッとする親はまずいないだろう。
それくらいこの言葉選びとは重要な要素だ。
こうしたことを日頃から心がけていれば、親子関係も必ず良くなる。
気づけば子ども言い合いになってしまっていた、という経験のある親もいるのではないだろうか。
ぜひ参考にしてみてほしい。
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大切なことは、相手がどう受け取るかを考えること!
簡単にまとめれば、相手がどう受け取るかを考えて行動するかだ。
自分がどういうつもりだったのかは関係ない。
相手がどう感じるか、どう受け取るかが全てだ。
このことはできるだけ早く意識し、もし改善の余地があると感じてくれた人は、すぐにでも軌道修正をかけた方がいい。
正直このような言い方に気になる点がある人は、意外と年配の人が多い印象がある。
これは若い頃からの蓄積なので、急に変えられるものではなく、長い人生の中で身についてしまった癖みたいなものだからだ。
悪癖は早期に叩いておかないと、時間の経過とともに修正が難しくなる。
コミュニケーションをとる際はいつでも注意しておきたい。
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