本日は授業を行う上で非常に大切な考えを盛り込んで説明します。
若手の教師必見の内容です。
英語の最初の関門とは?
指導要領改訂により、2021年度から英語の教科書の内容は本当に難しくなりました。
親御さん世代でも覚えておられる方はいいると思いますが、僕たちの世代、中1の最初の中間テストの英語はほぼアルファベットに関するような問題が大半で、満点を目指せる教科でしたよね。
僕も本当によく覚えていますが、最初の中間テストの点数は90点ジャストでした。
点数自体は良かったので喜んでいましたが、それもつかの間、なんと平均点が90点ジャストでした笑
すごくもなんともありませんでした。
しかし今は先に述べた指導要領の改訂のおかげで、中間テストからいきなり英作文をバンバン出してくるような学校もあります。
内容も、ある程度小学生のうちに基礎的な知識を身につけていないと辛くなってきています。
話は逸れますが、中学になってから本格的に英語を勉強すればいい、という時代は終わりました。(僕たちの頃はそれでも十分間に合いましたけどね)
将来的なことを見据えるなら、主要教科の算数や国語だけでなく、英語の学習も進めておいた方が良いでしょう。
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そして中学英語の最初の関門の一つが、「一般動詞」について学習する時です。
つまずく理由は簡単です。
一般動詞を学習するまでの間は、be動詞が使われた文しか見てきていないからです。
動詞には2種類あり、それがこの「be動詞」と先に述べた「一般動詞」になります。
基本的に一文に動詞は一つだけというルールがあるので、このbe動詞と一般動詞を同時に使うことは原則できません。(もちろん接続詞など、高度な内容を学習する際は話は変わります)
そのため、英語が苦手な生徒は平気で以下のような間違いを連発します。
例)私は毎日英語を勉強します。
I am study English every day.
みたいな感じですね。
間違いに気づきますか?
もちろんここではamが不要です。
しかし先述通り、このようなbe動詞と一般動詞を並べて使ってしまう間違いをする生徒は本当に多いのです。
得意な生徒は特に問題なくクリアするのですが、苦手な生徒や咀嚼に少し時間がかかる生徒は、ここで混乱します。
要はこの2種類の動詞の使い分けがうまくいかないわけです。
そしてこのような生徒をみると、指導者はつい「なぜここではbe動詞なのか?なぜここでは一般動詞なのか?」を理屈っぽく説明したくなります。
しかし、ここは私の経験上、中1の初期段階の英語は理屈を説明する時間を長くとるよりも、必要最低限のことを教えたらひたすら練習させる方が効果は高いと考えています。
説明はシンプルに!そして混乱させた後は練習量をしっかり確保!!
例えば僕ならこんな感じです。
ええか?動詞を使い分ける時は日本語の文末、つまり述語部分のみに注目してね。
じゃあbe動詞を使う文だけ練習してみよか。
①私は学生です。 I am a student.
②彼は教師です。 He is a teacher.
③あなたは幸せです。You are happy.
④彼女は看護師です。She is a nurse.
⑤私の犬はかわいいです。My dog is cute.
じゃあ次は一般動詞を使った文な。単語ちゃんと覚えているかも確認しながら頑張るんやで~。
①私は毎日英語を勉強します。 I study English every day.
②私たちはピアノを演奏します。We play the piano.
③彼らは英語を話します。 They speak English.
④あなたは手紙を書きます。You write a letter.
⑤私たちは公園で走ります。 We run in the park.
さあ、be動詞を使う文と一般動詞を使う文の違い、分かったかな?
文末に注目な。
分からない人は、①私は学生です。の文を例に考えてみよか。
述語の「学生です」に注目な!
誰か「学生です」って動きで表してみて~笑
できないですよね笑
他の教師です、も幸せです、も看護師です、もかわいいです、もこれらは動きで表せと言われても困ってしまいます。
そもそも動きで表すことはできないですよね。
さあ、それでは一般動詞はどうやろ。
そもそも一般てどういう意味?
分かりやすく言えば、「普通の」とかやな。
「動詞」ってのは「動くことば」やろ。
つまり「普通の動きを表すことば」が一般動詞ってことやな。
そう考えると、例の勉強する、演奏するをはじめ、一般動詞が使われている文の述語に注目すると、全て動きで表すことができますよね。
これがbe動詞と一般動詞を使い分けをスムーズに行う考え方の一つです。
最初は使い分けに混乱した生徒も、最低限の説明をもとに練習を重ねると、段々頭が整理されてきます。
もちろんこの説明で全てが解決するわけではありません。
あくまで苦手な生徒向けです。
指導内容が教師の自己満足になっていないか?常に子どもの目線に立てているかを確認!
このように、プロから見れば不十分と感じる説明であったとしても、苦手な生徒が「できた!」と達成感を感じさせようと思えば、これくらいの説明がちょうどよかったりします。
教師の中では高い知識を深く理解させようと、つい説明に長くマニアックに時間をかけてしまう人もいますが、厳しい言い方をすると、それは単なる教師の自己満足で終わってしまう可能性が高いです。
あくまで教師の仕事は、「子どもに力をつけさせる」ことです。
自分の授業が、子どもの目線に立てているかを考えることは非常に重要なことです。
特に子どもにとって一番地獄なのは、「ひたすら教師の説明を聞くだけ」の授業です。
大学の講義みたいな授業ですね。もちろん大学生や大人であればこうした授業も問題ないかもしれません。
しかし未熟な子どもにとってはどれだけ説明内容が素晴らしかったとしても、これでは生徒の集中力が確実に持ちません。
大人が素晴らしいと思う授業と、子どもが素晴らしいと思う授業が一致するとは限らないのです。
特に中学生であれば、部活などで疲れ切っている状況で授業を受ける生徒もいます。
こうした状況を見て、授業中にねぎらいの声をかけてあげたり、少し子どもが楽しめるような雑談を短くととったりして、クラスの雰囲気を活性化させることも、指導者が考えるべき重要な点の一つです。
まとめ
子どもに理解させる時に非常の大切なことは、「正しく混乱させる」ことです。
大人でもそうですが、本を読んでいる時に説明が難しかったり理解できなかったりする時は、何度も読み返したり調べたりして、理解しようと努めますよね。
混乱は、頭をひねって考えるきっかけをくれます。
この「考える」瞬間が最も力がつくタイミングです。
そしてそれを正しく導き、「整理させて」解決してあげる。
この時に子どもは小さな感動と達成感を得て、学んだ知識を忘れにくくなります。
子どもに指導する時は、その内容に表題の流れが組み込まれているか、組み込むことを意識して指導案を考えるといいですね。
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