明確なルールがあるからこそ子どもたちは納得する!
仮に授業中に子どもたちが私語をしたり、授業に相応しくない態度をとったりしたとします。
そんな時、あなたはその生徒に対してどんな対応をしますか?
おそらく「ちゃんと聞きなさい」などと言って注意し、正そうとするでしょう。
もちろんそれは必要なことではありますが、何か気になる点が出るたびにいちいち注意していては、もぐらたたきです。
そして皆さんも経験があると思いますが、逐一細かく注意されたり小言を言われたりすると、正しいことであっても嫌気がさしますよね。
僕も未だに細かいことをくどくど言われるのは嫌いです笑
子どもの頃はもっぱらその相手は母親でしたが、よく反発してケンカになっていたものです。
おそらく皆さんが指導している子どもたちも日常的に親と上記のようなバトルを繰り広げていると思います。
さて、ではなぜ多くの子どもたちは、正しいことを言われているのに反感を持つのでしょう。
理由は簡単です。それは叱る内容がいつも「後出し」だからです。
事象が起こってから初めて注意をする。
この状況が続くと子どもたちはだんだんイライラしてくるのです。
これがあらかじめ事が起こる前に、ルールとして提示しておけばどうでしょう。
例えば私は授業時のルールとして、以下のことは最低でも初回授業で提示してしまいます。
- 授業時間が来たら必ず授業の準備をして静かに待つ
- 先生が説明を始めたら必ず全員口を閉じて前を向く
- 忘れ物をしたら、必ず「授業前に」先生に伝える
もちろん他にもあります。では生徒をコントロールできないと嘆く可能性が高い2つ目の項目を例にとりましょう。
もしこのルールを提示しているにも拘わらず、先生が話している時に私語をしている生徒がいれば、「喋ってはいけない」とその事象に直接注意するのではなく、「最初に先生はみんなにどんなルール伝えたっけ?」と言い方を変えて、子どもたちに気づかせることができますよね。
この注意の仕方だと、「最初に伝えたルールを破ったから」注意されていると子どもたちは理解できるため、注意されることに納得します。
このように、「何をすれば叱られるのか、注意されるのか」、ということを明確にしておけば、子どもたちも制約の中でどう振る舞えば良いかが理解できます。
注意すべきは、私たち大人はこれまでの経験から物事の分別もつき、何が良くて何が悪いのか分かりますが、未熟な子どもたちは教えないと本当に分からないことも多いのです。
頭ごなしではなく、納得を促すことが大切です。
人は命令では動きません。納得で動きます。
これは子どもも大人も同じです。
子どもを注意しないといけないのは、ルール設定と提示が甘いからと考える!
逆に言えば、子どもたちが何か注意しないといけないことをした時、それを未然に防ぐためにルール設定や提示ができていたかを考えてみると良いかもしれません。
おそらく経験が浅いうちはできていないことがほとんどだと思います。
それを良い意味で反省に変え、未然に防ぐためにはどうすれば良かったのかを考えるきっかけにすれば良いと思います。
一例をあげると、仮に生徒が私語をしていたとします。
注意をすると、その生徒が「消しゴムを借りていただけです」などと言い返してきたとしましょう。
あなたならどう返しますか?
勉強に関係あることならまあいいか、と許容しますか?
それともどんな内容であろうと私語に変わりはないと一蹴しますか?
上記事象は注意しなければどこでもいつでも起こりえます。
結論を言えば、物の貸し借りが行われた時点でこちらの負けなのです。
これを防ぐためには、「物の貸し借りは禁止」というルールを先に設けることです。
まず、物の貸し借りには様々なトラブルがついて回る可能性が高いことを危機意識として持たなければいけません。
仮に借りた側が返さない、もしくは紛失してしまった、などというトラブルが起こったらどうしますか?
悪気はなくても使っている時に破損するかもしれないリスクもあります。
私語の中でも、こういう内容ならセーフ、こういう内容ならアウト、などとしてしまえば、じゃあこういう場合はどうなの?などグレーなラインが出てくるようになり、必ず収拾がつかなくなります。
これを防ぐには、「どんな内容であろうと物の貸し借りは禁止」と厳然かつ分かりやすいルールを提示することが必須です。
飲み物のルールも同じです。
ジュースはダメだけどスポーツドリンクはOKなどとしてしまえば、必ずこれはスポーツドリンクに入るの?などグレーな質問が飛び交います。
教師も子どもも混乱しないようにするには、飲み物は「お茶」か「水」のみ、と定めるべきです。
ルールは明確で分かりやすいものにしないと、子どもだけでなく教師間でも混乱が生じます。
ある先生は良いと言ったのに、ある先生からはダメだと言われた、などということが起これば、子どもは不信感を抱きます。
これは教育の場で最も避けたいことです。
少し話は逸れますが、そのためにも日頃から情報共有は必須ですね。
まとめ
今日は少しレベルの高い話になりました。
しかし指導者として、分かりやすく子どもたちが納得するルール設定を行うことは極めて大事です。
教育の場だけでなく、私たちは生きるこの社会では、ルールや制約はつきものです。
ルールがなければやりたい放題の世の中となり、秩序は必ず乱れます。
教育の場において子どもをコントロールするには、先回りしての根回しと段取りが非常に大切です。
本日の話を参考に、ぜひ明確なルールがあり、それを子どもたちに浸透させられているかどうかを見直してみて下さい。
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